このリハビリはどういう意味があるのか

ことばと脳の相談室でのリハビリの特徴のひとつに、症状やリハビリの内容、目的をご本人やご家族に正直にお伝えする、というものがあります。私自身、病院に勤めていた際、患者様に検査をして、それを元にリハビリのプログラムをたてて実行していましたが、検査の結果を事細かにお伝えする、ということはしていませんでした。病院には医師がいますので、リハスタッフが勝手にああだこうだと伝えにくい、というのもありましたが、それ以前にそういう風習がなかったというのが正直なところです。みなさんも自分の知り合いや友人の短所を本人に直接伝える、というのはやりにくいですよね。それと同じことかもしれません。検査をして、その方のいいところ悪いところを把握はするけれど、それを伝える相手は患者様ではなく担当医師のみ、患者様には結果は伝えず、ただリハビリだけを提供する、そのやり方がいいのか悪いのか、正直今でも悩みます。もちろん医師からご本人・ご家族に情報提供はされていましたから、患者様がまったく知らされなかったというわけではありません。しかしながら、医師は知らない、リハビリの場面でしか見えない良さというものも実際にはあるのです。

ことばと脳の相談室では、患者様の自主学習を推奨しています。その特性から、患者様にご自身の長所も短所も知っていただく必要があると思っています。目的も何も伝えずに「これが宿題です」と言われるより、「あなたはここが得意でここが苦手です。得意な面を使って苦手な面をカバーできるよう、こんなリハビリプログラムをたてました。これを宿題にしましょう」と言われる方が俄然やる気が出ますよね。そうしたことをきちんと伝えるために、毎回レポートを書いてお渡しするようにしています。ことばで一度に言われても理解するには限度がありますし、何より忘れてしまいますから、文字にして残すことはとても大事だと思っています。

検査の結果からリハビリプログラムをたてるのではなく、その方が今困っていることを聞いて、それを解決するためのプログラムを作ること、それを心がけています。私が一方的にリハビリを提供するのでなく、二人三脚で一緒に考えてもらう、それが患者様のやる気を引き出してくれていると感じています。